―座学ばかりでは優秀なエンジニアが育たない―
このような危機感を持ったアメリカ自動車技術会(Society of Automotive Engineers)は1981年、Formula SAEと呼ばれるフォーミュラスタイル(オープンホイール)の車両による自動車競技会をミシガン州ポンティアック市で開催するに至りました。
この競技会の主たる目的は、学生自身でものづくりを体験することにより実践的な技術・知識を持ったエンジニアの育成を図り、産学共同プロジェクトとすることで企業側の人材発掘に寄与するというものです。
また、この大会は単に製造した車両の性能のみを競うものではなく、学生自身がチームを企画・運営し、車両の設計・製作・工程管理・プレゼンテーションという企業運営のノウハウ全てが評価対象となる非常にユニークなものとなっています。
勿論、車両設計にあたって発生しうるコストにも制限があり、日本円にして325万円以下で且つ、1日あたり4台の生産が可能であることが条件となります。従って、限られた予算・時間の中でいかに優秀な設計製作を行うかが問われます。
こうした競技会を通して知識を身に付けたエンジニアは自動車企業をはじめとする産業界では勿論のこと、F1やCARTなどモータースポーツのトップカテゴリーの中においてもその実力を発揮するという活躍ぶりを見せています。
日本でもこの大会の趣旨を再評価し、2003年9月にF-SAE日本大会を開催するに至りました。
競技の採点方法には大きく分けて静的競技と動的競技の二つがあり、各項目の得点を基に合計1000点満点で競います。〔
〕内は配点を示しています。
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●車検 車両の安全・設計要件の適合、ドライバーの5秒以内脱出、ブレーキ試験(4輪ロック)、騒音試験(所定の条件で排気音110dB以下)、チルトテーブル試験(車両45度傾斜で燃料漏れ無し。ドライバー乗車し車両57度傾斜で転覆しない) |
〔 0 〕 |
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■静的競技■コスト評価 予算とコストは、生産活動を行うにあたって考慮しなければならない重要な要素であることを参加者に学ばせることが狙い。車両の製造コストの制約は325万円以下。車両を見ながら事前に提出したコストレポートのコスト精度、チームによる製造度合等を確認し、レポートのコストと車両との適合を審査する。一般に購入品目となる2項目について、部品製造プロセスなどの口頭試問を行い、それらの知識・理解度を評価する。 |
〔 100 〕 |
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■静的競技■プレゼンテーション 学生のプレゼンテーション能力を評価することが狙い。プレゼンテーションは、『競技のコンセプトに沿い、製造会社の役員に設計上の優れていることを確信させる』という仮想のシチュエーションのもとで行う。 |
〔 75 〕 |
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■静的競技■設計 事前に提出した設計資料と車両をもとに、どのような技術を採用し、どのような工夫をしているか、またその採用した技術が市場性のある妥当なものかを評価する。具体的には、車体および構成部品の設計の適切さ、革新性、加工性、補修性、組立性などについて口頭試問する。 |
〔 150 〕 |
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▲動的競技▲アクセラレーション 0−75m加速。各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、タイムを競う。 |
〔 75 〕 |
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▲動的競技▲スキッドパッド 8の字コースによるコーナリング性能評価。各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、タイムを競う。 |
〔 50 〕 |
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▲動的競技▲オートクロス 直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約950mのコースを1周走行する。各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、タイムを競う。エンデュランスは、このオートクロスの早いチーム順に走行する。 |
〔 150 〕 |
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▲動的競技▲エンデュランス 直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約1000mの周回路を22周する。走行時間によって車の全体性能と信頼性を評価する。 |
〔 350 〕 |
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▲動的競技▲燃費 耐久走行時の燃料消費量で評価する。 |
〔 50 〕 |
| 合計 | 1000点 |
-競技内容の詳細は全日本学生フォーミュラ大会Webサイトより抜粋